富貴を求むなら●富貴を求むなら 「書を読めば万倍の利あり」 これは『古文真宝(こぶんしんぽう)』に出てくる言葉です。 『古文真宝』は中国唐時代の詩文を集めた書です。 「書を読めば何にも増して万倍の利がある。最高の利がある」といっているのです。 糖の大詩人で詩聖と崇められた杜甫は富貴を求める男たちに「男子須読五車書」(男子はすべからく読むべし五車の書)とすすめました。 富貴は刻苦して読書することによってのみ得られると説いたのです。 五車の書というのは車五台分の書物という意味です。 冊数にしておよそ5000冊というところでしょう。 昔、中国の人は刻苦勉励して書を読み、科挙(文官任用の試験)に通って士大夫となり、立身出世の大道を歩いたものです。 役人となり知事を3年もやれば、銀貨10万両も転げ込んできたものだそうです。 「三年清知府(府知事のこと)、十万白雪銀」 書を読んで立身出世をとげることは、当時の中国の社会で最も効率のよい、万倍の利があることだったのです。 七田眞 ジャンル別一覧
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